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わが悲しき娼婦たちの思い出
ガルシア・マルケス著

普段小説の単行本なんかお金と置く場所がなくて買わないんだけど、どうしても我慢できなくて買ってしまい、少しづつ楽しみに読み勧めた。
「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝にしようと考えた。」。
それだけでこの小説を読む価値がある。
川端の「眠れる美女」に想を得たということであるが、ただ観念的に眺めているだけの日本人と違いなんと、たくましく生へのエネルギーに溢れていることか。
この書は最高の生への讃歌である。
結論から言えば、この試みはうまく行かず、思いがけず老人は14歳の少女を愛してしまう。その過程で南アメリカらしい事件が起こり、歴史が想起され、90年の人生の厚みから、さまざまな女たちのことが思い出される。老人は、恋の讃歌をつづり、少女のためにと買いに出かけた自転車を試乗し、街をかけまわる。狂おしいほど恋をする一年間が描かれている。
「魂の問題は横へおいて、生きているうちに愛を込めて愛し合うという奇跡を味あわないといけないわ」という、昔馴染みの娼婦の言葉はなんと含蓄のある言葉なんだろう。
そう。僕らは愛し合わなければいけない。
この魂と、肉体とを持って。「肉体」の問題は決して横へ置いてはいけないのだ。
「人生と言うのはヘラクレイトスの言う荒々しい川のようなものではなく、グリルの上に載せられ、片側が焼けると、くるりとひっくり返されて、さらに90年かけてじっくり焼き上げられる、そういう機会が与えられるようなものではないだろうかと考えた。」。
僕らはまだ始まっていない。そう元気がでる書であった。
久しぶりにアンゲロプロスの「永遠と一日」を観たくなった。
by aonojikan | 2006-12-17 13:04 |
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